マイクロソフトでは出会えなかった天職

イングリッシュマフィンと共に迎える朝。マフィンが好きです。今日はバターを落として、さっと火を通したベーコンを挟んで食べました。
図書館に行って本を借りた後、カフェで読書。これが素晴らしい本でした。

マイクロソフトでは出会えなかった天職 僕はこうして社会起業家になった

マイクロソフトでは出会えなかった天職 僕はこうして社会起業家になった

マイクロソフトで働いていたエグゼクティブが、貧しいアジアの国に対して書籍や学校を提供するNPOを作り、社会起業家となるお話。彼は30代半ばでネパールを旅し、山奥の小学校では書籍すら満足に無いという現実を目の当たりにしてその現状を変えようと働き始める。どうも最近社会起業家の本を読むと大抵素晴らしいと感じてしまうのですが、この本も素晴らしかった。感動するだけなら簡単なので、以下幾つか気になった点を引用させてもらおうと思います。

まず素晴らしいなと思った点は、彼がNPO活動を始めるにあたってネットワークを有効に活用している点。ネットワークによるレバレッジを活かして創業期を乗り越えているように見えます。彼がネパールでの旅行から帰って(正確には帰る前ですが)最初に行ったことは、知人に対して一通の支援依頼メールを送ることでした。このメールはより多くの人に転送されていくことになるのですが、自分がやりたいと感じたことを宣言し、それに協力してくれる人をネットワークを通じて探してくるという点は、彼の教訓にもなっているようです。

ひとつ重要な教訓は、いったん大胆な目的を宣言すれば、そのもとに大勢の人が集まることだ。

もう一つ彼が教えてくれる大きな教訓は、「考えることに時間をかけすぎず、飛び込んでみること」です。

もし1998年にジョンがネパールを三ヶ月調査していたら、ルーム・トゥ・リードを立ち上げることはなかっただろう。やる気を失うような障害があらかじめ次々に分かって、ジョンは悲観的になっていただろう。そうしたら、この5年間の素晴らしい実績は1つも実現しなかった。


他に印象的だったのは初期にあるベンチャーキャピタルに対して支援を求めたときの、ある支援者の発言。

私はかねがね、援助計画を成功させる唯一の方法は、地元の住民にも労働力と少額の資金を提供させることだと思っていた。そうしなければ援助は無償の贈り物に過ぎず、当人達に失うものがないから、プロジェクトの価値を誰も認めようとしない。

これは事実なんだろうなと思います。去年、情熱大陸に山口絵理子さんが出演されたときも、同じような意見を聞きました(ちなみにこの方が書いた書籍「裸でも生きる」は本当に素晴らしいです)。彼女が立ち上げたNPOに所属するカンボジア男性の発言の発言です。彼はカンボジアでは比較的裕福な仕事に就いていたのですが、何故その仕事を捨てて彼女に協力しているのか、という質問に対して「今まで幾つもの団体が我々の国を救おうとしてくれたが、彼らは与えるだけだった。与えられるだけでは我々はただの乞食になってしまう。それでは国は救われない。彼女(山口絵理子さん)は与えるだけでなく、雇用を生みだし、技能を身に付けさせてくれる」。うろ覚えなので不正確なのですが、僕はこの発言に大感激してしまいました。ボランティアやNPOは与えるだけでは駄目なんですね。